気になるニュース34回「アメリカ大統領選挙」

アメリカ国旗.jpg【問題】
11月4日にアメリカ合衆国で大統領選挙が行われ,次期大統領が決定しました。
黒人初となるこのアメリカ大統領は誰ですか。



【解答】
バラク・オバマ

11月4日,アメリカ大統領選挙において,民主党のバラク・オバマ候補が共和党のジョン・マケイン候補を大差で破り,第44代アメリカ大統領に就任することになりました。
黒人(アフリカ系)の大統領誕生はアメリカ合衆国建国後初めてのことです。
オバマ氏はケニア人の父とアメリカ人の母の間に生まれた混血の黒人で,弁護士,イリノイ州議会議員を経て,2004年のアメリカ上院選で初当選した1年生議員です。
民主党の候補者選びでは,本命とされていたヒラリー・クリントン上院議員との激戦を制し,今年8月に民主党の大統領候補に指名されていました。
上院議員から直接大統領に選出されたのは,1960年のジョン・F・ケネディ氏以来のことで,オバマ氏は「JFKの再来」ともいわれています。
オバマ氏は,地元シカゴ中心部の公園で12万5000人の支持者を前に勝利演説を行い,「米国に変革が到来した」と宣言し,2期8年に及ぶ「ブッシュ政治」から脱却(だっきゃく)する変化(オバマ氏の言い回しでは“チェンジ”)を約束しました。
アメリカ国内の政策としては中・低所得者を重視することをあげています。また,公共事業に投資し,雇用を生み出すといった方法で,第二次世界大戦前のニューディール政策に似たものも感じます。
日本でも,麻生総理が出した追加景気対策において,今年度中に,全国民に対して定額給付金が配られる予定です。
それだけ,世界的に景気の減速が著しいということでしょう。
また,オバマ氏は,外交・安全保障政策としては,「国際協調と対話」を基本路線とすることをあげています。
これらは,富裕層の優遇(ゆうぐう)やイラク戦争に代表される単独行動主義が問題となったブッシュ政権の路線からの変化を目指したものです。
しかし,大統領選から一夜明けた5日,アメリカの株価は急落しました。
ダウ工業株30種平均は,下げ幅,下落率ともに,大統領選翌日としては過去最大を記録しており,景気悪化への不安が強い株式市場が,新政権発足前からオバマ氏に対応を迫った格好となっています。
これもまた,世界経済が不況の真っただ中にいることの証拠です。
リーマンショックによる全世界同時株安がおこっている現在,はたしてオバマ氏が“世界をリードする強いアメリカ”を取り戻せるか,今後に注目していく必要があります。
(皆実教室M)
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