気になるニュース32回「ノーベル賞」

4785459.jpg【問題】
2008年のノーベル賞に日本人が4名選出されました。選出されたのは,ノーベル何賞とノーベル何賞でしょうか。



【解答】
ノーベル物理学賞・ノーベル化学賞

スウェーデンの王立科学アカデミーは、2008年のノーベル物理学賞を、素粒子論で重要な業績を残した小林誠氏と益川敏英氏、そして南部陽一郎氏の3名に授与すると発表しました。
南部氏の受賞理由は、素粒子の「自発的な対称性の破れ」を発見したことです。
素粒子とは、物質を細分化していったとき、もうそれ以上分解できない最小単位の粒子のことで、南部氏の発見は、素粒子がなぜ生まれるのか、なぜ物質は質量を持つのか、という根源的な問いに対する答えになるといいます。
また、「小林・益川理論」は、素粒子クォークが3種類しか確認されていなかった時代に、3世代6種類以上が必要だと予言し、物理学の常識を覆(くつがえ)したことによります。
日本人が共同受賞するのは初めてのことです。
また、2008年のノーベル化学賞には、下村脩氏を含む3名が選出されました。
下村氏の受賞理由は、「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と発光機構の解明」によるものです。
下村氏は、1962年にオワンクラゲから緑色蛍光たんぱく質(GFP)を初めて発見し、さらに分離・精製にも成功しました。
このGFPは、紫外線を当てると発光する物質です。
下村氏らが見つけたGFPとその遺伝子によって、たんぱく質を蛍光標識し(印をつけるようなものですね)、脳の神経細胞の発達過程や、がん細胞が広がる過程などを、生きた細胞で観察できるようになり、分子生物学や生命科学の発展に大きく貢献しました。
ただ下村氏自身は、「私は蛍光たんぱく質を発見しただけなので、化学賞がもらえるとは思っていなかった」と述べています。
ノーベル物理学賞は、湯川秀樹氏、朝永振一郎氏、江崎玲於奈氏、小柴昌俊氏に続く3人の受賞になり、ノーベル化学賞は、福井謙一氏、白川英樹氏、野依良治氏、田中耕一氏に続く5人目です。また、年間の受賞者数も過去最多の4人です。
これで日本人のノーベル賞受賞は16人となりました。
最近、学力低下が叫ばれていますが、日本人にもすぐれた研究者がたくさんいます。
みなさんもしっかり勉強して、将来ノーベル賞を目指してみませんか?
(皆実教室M)
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