畑のありんこ(376)

ウメ(90度右)部屋の梅の花が咲きました。いい香り。
剪定した枝を室内に入れておくと戸外よりだいぶ早く咲きます。
まあ2月といっても旧暦では正月、まだ寒いですよね。

この「うめ」、江戸から明治時代にかけては「むめ」と書かれていました。
「む」の発音をするためには唇をくっつけて「m」の音を出すことになりますが、日本語の撥音「ん」では「m」と「n」とあまり区別しません。
「とんぼ」って発音すると「tombo」ってなっている人が多いはずです。「bo」は唇をくっつけて出す破裂音なので、それにひかれて「n」でなく「m」になってしまう。でもあまり気にしてないと思います。
「むめ」→「んめ」→「うめ」となったのか、今は「うめ」になってます。
学名 も「Prunus mume」。シーボルトが名づけの親だそうですね。

梅咲きぬ どれがむめやら うめぢゃやら   蕪村

うちの梅は「豊後」という品種なんですけれど、香りがとてもいいのです。
みんなお気に入りの香りってあると思いますけれど、梅の花の香りは上品ですよね。
ウメとアンズの自然交雑種と言われていて、実もアンズ寄りなのか、やや大きめです。
熟すと桃と近い香りがして、これも素敵なので、青いまま収穫するのがときどき惜しくなります。
あたりまえのことなのですが、毎年咲くと、ほっとします。
学問の神様の宿る木なのであだやおろそかにせず…。

(五日市教室A)