気になるニュース第2回「第166回通常国会閉幕と参議院議員選挙」

7月5日,第166回通常国会が12日間の延長の後に閉会しました。
今回の国会では、多くの重要な法案を、与党(政権をとっている党…現在は自民党と公明党)の強行採決という手段で成立させたため、閉会時に衆議院・参議院の両方の議長が、国会運営のあり方について苦言を呈する(くげんをていする・・・注意する)といった後味の悪いものとなりました。


このような事態となったのは、2005年の衆議院選挙で小泉前首相率いる自民党が圧勝し、衆議院において、与党が圧倒的多数をしめているためです。
野党が激しく抵抗(ていこう)したとしても、結局は多数決での採決となり、「数の論理(数が多いほうが強いこと)」で押し切られる形になります。
多数決は民主主義の基本的な考えかたなのですが、強引すぎると問題ですね。
(今回、採決された法案)
★年金問題に関係して…
・「社会保険庁改革関連法」
社会保険庁を2010年に解体し、非公務員型(ひこうむいんがた)の新法人「日本年金機構(にほんねんきんきこう)」に移行させるというものです。
これによって仕事に責任を持ち、効率的でミスの無い年金事業運営を図ることを目的としています。
・「年金時効撤廃特例法」
今までは、年金の記録にミスがあり、それが立証されたとしても、年金請求権(ねんきんせいきゅうけん)に時効があったため、5年以上前のものは請求できなくなっていました。
この時効を撤廃し、記録漏れ(もれ)分は全額補償(ぜんがくほしょう)するという制度にしたものです。
今年金問題は新聞やニュースなどでよく耳にしているはずですね。
これも2008入試の時事問題としてチェック!
★天下りの問題に関係して…
「改正国家公務員法」
今までのような各省庁からの天下り(・・・各省庁を退職したあと、関係のあった会社に良い条件で再就職すること)あっせん(・・・紹介すること)を禁止し、新設する「官民人材交流センター」(新人材バンク)で一括してあっせんする制度に変えるというものです。
ただし、天下りを完全に禁止したわけではないので、効果が疑問視されています。
公務員の天下りには、企業側にとってみれば、各省庁とのつながりができるというメリットがあり、公務員側にとってみれば、給与が手に入るだけでなく、企業を退職するときにもう一度退職金が入るといったメリットがあります。
一方で天下りには、企業と各省庁が癒着(ゆちゃく・・・本来離れているべきものが、くっついて悪い影響があること)する危険もあります。
6年生は「天下り」という言葉を覚えておきましょう!
国会は閉会し、7月29日投開票の参議院選挙に向けての動きが活発になっています。
選挙で投票することで、有権者である国民の意思をきちんと示すことが正しい国会運営、そして私たちの未来のために大切なのです。
みなさんにはまだ選挙権がありません。
が、今のうちから大人の世界をよく知り、未来をよりよいものにしていこうという気持ちを温めてほしいと思います。
(M)
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