普段は生徒達にとっての講師である私達ですが、過去を振り返って見れば、当然、私達にも先生にあたる人たちがいるわけですね。
学校の先生。
習い事の先生。
私は通っていませんでしたが、塾の先生。
ただ、今回書く私にとっての先生は、ちょっと変わった先生です。
その先生に、私は授業を受けたことはありません。
練習を指導してもらったこともありません。
その先生は、不登校や高校を中途退学した生徒達の支援を行う学校の先生なのですが、ラジオのパーソナリティーも務められています。
大学受験の受験勉強をしながら、聞くともなしに聞いていた番組だったのですが、第一志望の大学に不合格となり、第二志望の学校に行くか、作家養成のための専門学校に行くか迷って相談のメールを出しました。
そのメールは番組で読まれ、その方からは大学受験は残念な結果に終わったけれど、そこはまだ夢へのプロローグにすぎない、これからまた夢へ向かって、一歩ずつ進んでほしい、という言葉をいただきました。
その言葉を受けて、私は大学進学を決めました。
第一志望に落ちたことで、焦っていた自分に気がついたからです。
勉強で上手くいかなかったことで、それ以外の道に急いで逃げたかった気持ちもあったと思います。
今振り返ってみれば、この判断は正しかったように思います。
専門学校に行ったところで、簡単になれるほど作家というのは甘くないと、この10年で実感しましたから。
先日の受賞のこともあり、私は数年ぶりにその番組にメールを出しました。
勤務時間なので、聞くことはかなわず、実家で録音してもらったものを聞いたのですが、読んでいただけていました。
初めて相談してから10年近く経つのですが、しっかりと覚えていただけていて、とても嬉しく思いました。
こういった経験から学んだことを、生徒達には伝えていきたいと思いますし、生徒達にも、今の経験から学んでいること(勉強以外のことも含めて)を、後輩や次の世代へ教えてあげられる人になってほしいと思います。
(五日市教室T)