【問】
国際連合の専門機関であるユネスコの事業の一つで、民俗文化財、風習、口承伝統などの無形のものについて、保護目的で登録するものを何といいますか。
【答】
無形文化遺産
ユネスコの「世界遺産条約」に登録されるのは、自然や建築物などですが、無形文化遺産に登録されるのは、慣習、描写、表現、知識および技術など、無形のものです。
日本では、2001年に「能楽」が登録され、その後「人形浄瑠璃文楽」「歌舞伎」「雅楽」などが登録されました。昨年登録の「和食」を加え、登録数は22となっています。
先日、ユネスコの補助機関が「和紙‐日本の手漉き和紙技術」の登録を勧告し、11月の会議で正式登録される見込みとなりました。
2009年に「石州半紙」(島根県)として登録されていたものに、「本美濃紙」(岐阜県)と「細川紙」(埼玉県)を追加登録する形になるようです。
ヨーロッパでは,古い本や絵画の修復,壁画の汚れ落しなどに和紙が使用されているそうです。ますます日本の伝統文化が注目されるとうれしいですね。
ちなみに、広島県にも和紙を作っているところがあることを知っていますか。小瀬川の流れる大竹市では、かつて広島藩の専売品であった「大竹和紙」がたくさん作られていました。
現在では「大竹手すき和紙保存会」に人たちが、その伝統を受け継いでいます。大切にしていきたい技術ですね。
(皆実教室M)