【問題】
5月末、アイルランドのダブリンで、世界約110カ国が参加した国際会議で、ある爆弾を禁止する条約案が採択されました。この爆弾を何といいますか。
【解答】
クラスター爆弾
クラスター爆弾とは、親爆弾の中に、数個~数百個の子爆弾が内蔵された空爆用の爆弾のことで、広い範囲に有効なため、使われてきた爆弾です。
この爆弾は、不発弾として残ってしまうことが多く、海外では子供を含む多くの民間人が被害を受けています。
2007年2月、ノルウェーのオスロで、クラスター爆弾について話しあう国際会議が開催されました。
その会議で、2008年末までにクラスター爆弾禁止条約の締結をめざす「オスロ宣言」が採択されました。
しかし、これに参加した日本は、防衛上の理由からオスロ宣言に調印しませんでした。
今回の「ダブリン国際会議」では、「子爆弾9個以下」「自爆装置付き」「目標識別能力付き」の最新型を除き、クラスター爆弾を禁止する条約案が採択され、日本もこれに同意しました。
昨年までの方針を転換したのは、福田康夫首相の決断があったのでしょう。
思い出されるのは、1997年に締結(ていけつ)された対人地雷禁止条約(オタワ条約)。
それまで条約締結に消極的だった日本は、橋本総理や小渕外相の決断で、条約に調印しています。
日本が安全保障条約を結んでいるアメリカが参加しない条約を、軍縮への取り組みとしてきちんと締結したことで、日本は国際的にも評価を得ました。
その後も、締約国会議に出席し、委員会の共同議長を務めたこともあります。
また、地雷対策への支援も行っており、地雷対策への拠出金(きょしゅつきん)では、日本は常にトップクラスです。
ダブリン会議には、アメリカ、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、イスラエルなどが参加していません。
また日本の周囲の東アジア諸国がクラスター爆弾を持ち続けるのに、日本だけが廃棄して大丈夫なのかという不安もあります。
日本がクラスター爆弾禁止条約を締結すれば、自衛隊が保有するクラスター爆弾を廃棄することが義務付けられ、その費用は100億円以上かかるといわれていますし、新型爆弾を導入すると、さらに巨額の費用がかかります。
しかし、平和憲法を掲げる日本が、「戦争後も人を傷つけるクラスター爆弾を廃棄する!」という決断をしたことは、すばらしいことだと思います。
爆弾そのものを全てなくすにはまだまだ時間がかかるのでしょうが、一歩前進と考えたい、そう思います。
(皆実教室M)
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次回入会ガイダンスは…6月14日(土)13:00~14:00
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