【問】
このたび、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定した野生生物で、日本人の食卓になじみの深い魚類は何ですか。
【答】
うなぎ(ニホンウナギ)
7月の終わりから8月にかけて、スーパーへ買い物に行くとおいしそうなうなぎのポスターを見かけますね。
立秋前の土用の丑の日と言えばうなぎ。
夏バテした体に、また、残暑を乗り切るために栄養価の高いうなぎはピッタリです。
そしてなによりも、問答無用でウマイ!
反論は認めません(笑)
そんなうなぎも、ここ4~5年はシラスウナギ(うなぎの稚魚)の減少が問題になっていました。
日本の環境省レッドリストは2013年に一足先にニホンウナギを絶滅危惧種に認定しています。
そしてこのたびIUCNにも認定されたことにより、世界で獲れるうなぎの70%を食べている日本の責任は大きく問われることになるでしょう。
ではたくさん養殖すればいいじゃないか!
ところが文化的になじみの深いうなぎも、その科学的生態は謎だらけなんです。
なぜ太平洋の真ん中で生まれるの?
なぜ何千kmも海流に身をまかせて日本に?
稚魚のころは何を食べてるの??
海で生まれてどうして川に上るの??
なぜ産卵のためにまた太平洋の真ん中へ???
さらに皮膚呼吸ができたり、陸上でも平気だったりと何から何まで不思議だらけ。
当然、卵から成魚までの完全養殖の方法も確立されていないのが現状です。
うなぎ食文化は手放したくない。
でも、よくわかっていない生物だからこそ、減っているならしばらくそっと見守ってあげるのも大事かもしれませんね。
(横川駅前教室う)