それでもI will be…(275)

私たちアイルが掲げている理念の1つに「小さな成功体験」というものがありますが、今回はその逆の「挫折体験」について書いてみます。
「挫折」と聞くとよいイメージを持たない人の方が圧倒的に多いと思います。
私もあまり好きな言葉ではありません。
当然ですよね。
挫折したくてする人はあまりいないと思います。
ですが、同時に私は「成功体験」と同じくらい「挫折体験」も大切だと思います。

いくつか理由がありますが、まず1つ目は挫折することでそこから立ち上がる強さを学べることです。
もちろん、立ち上がるのは容易なことではないですし、時間がかかってしまうこともあるでしょう。
だからこそ、それを子どものうちに体験しておいたほうが良いと思います。
子どものうちは周りが立ち上がるまでをフォローしてくれます。
しかし、社会人になってからはそうもいきません。
自立した大人として自分の力で速やかに立ち上がることを求められます。
そういった際に強いのは子どものうちに様々な挫折を経験してきた人だと思います。

2つ目は、挫折することで努力して成功することの大切さを知れるからです。
努力しても届かないことがあるという現実も知らず、成功体験だけをし続けることは、成功する喜びから新鮮味をなくしかねません。
どんな小さなことであっても、成功することの素晴らしさや嬉しさを得るためには、成功しなかった時のくやしさもしっておくべきではないかと思います。

最後に3つ目は、挫折したことがある人の方が、他人の辛さや苦しさを理解してあげられると思うからです。
子どものころから全てにおいて成功して、何一つ苦労なく順調に進んできた人にとって、努力しているのにうまくいかず悩んでいる人の気持ちというのは推し量りがたいものではないでしょうか。
私自身も、大学生の時の教授でそういった人物にあたりましたが、こちらの状況や気持ちを全くと言っていいほどくみ取っていただけない方でした。
困っている人にとってまず必要なのは、解決の糸口を示す前に、その人の気持ちをきちんと理解してあげることではないかと思います。

もちろん、中学受験そのものは皆さんにとって良い結果が出てほしいと祈っていますが、日々の勉強の中では、自分にとってやや高いハードルにも時には挑戦し、成功体験だけではなく、うまくいかないことも体験してみてほしいと思います。
そして、相手の苦しさをわかってあげられる人になってほしいと思います。

(五日市教室t)