それでもI will be…(269)

国語特集・【読解問題線引き編③】

今回はどちらかというと苦手意識を持つ生徒が多い、説明文についての線引きポイントを取り上げてみましょう。
説明文でまず大切なのは、その文章の「話題(テーマ)」を見つけることです。
そのためのポイントは、何度も出てきたり、「 」で囲まれていたりする「キーワード」を見つけることと、「~だろうか」「~ではなかろうか」のような筆者の「問いかけ」をおさえておくこと。
読者に対して話しかけてくるもの、その存在を印象付けようとする言葉はチェックしておくべきです。
特に、最初の方にあるものは話題であることが多く、きちんと見つけておきたいところです。

同様に大切なのが、その話題に対する答えとも言える「まとめ」の部分を見つけることです。
最もわかりやすいまとめは、段落の頭に「このように」とついているものですね。
そこまでの具体例をまとめて言うと、といった意味合いがあり、確実に注目したいところです。
しかし、全ての文章に「このように」とある段落があるわけではありません。
ではその場合どうすればいいのかといえば、「最後の一文」「最後の段落」「最初の段落」の順にまとめにあたる部分がないかを探してください。
最後の段落を押さえておけばまとめが含まれていることが多いのですが、問題によっては筆者が最も伝えたい一文を書き抜きなさい、というケースもあるので、最後の段落で最も大切な一文はどこなのか、というところまで注目しましょう。

もう一つ文章の流れをとらえるうえで大切なのが、「しかし」「けれども」といった逆接の接続詞です。
逆接の前後では筆者の主張が変わることが多く、逆接の後ろが筆者にとっての本当の主張、つまり大切な部分ということになります。
もっとも、逆接の前後はどちらが大切なのかを最初から知っている生徒は多くありません。
その時には、次のような例文を出します。
「あの家は、家賃も安いし、庭もついているし、近くにスーパーもあるし、最近建ったばかりで新しい。しかし、すぐ近くに工場があって、とてもうるさい」
「さあ、この文章を書いた人はこの家を他人におすすめしているのかどうかわかる?」
と聞くと、ほとんどの生徒が後半を受けておすすめしていない、と答えます。
その感覚を把握しているかどうかで、文章の流れの変わり目をとらえられるかどうかが変わります。

さて、今回は説明文の流れをつかむポイントをまとめましたが、次回は説明文の問題を解くための線引きポイントをお伝えします。

(五日市教室T)