(何たって理科 その2)
前回のこのコーナーでは、『過冷却』についてお話しました。
「過」と「過」つながりで、今回は『過飽和』についてのお話です。
このことを考えると、いろいろな世界に「行き過ぎ」というのがあるようです。
水に固体を溶かすとき、溶かすものによって溶ける限度量が決まっています(これを溶解度といいます)。
この溶解度は、水の温度によっても変わります。溶解度いっぱいいっぱいまで溶けていて「もうこれ以上溶けないぞ!」という状態を「飽和状態」といいます。
本来なら「もうこれ以上溶けないぞ!」という状態なのですから、これが限界のはずなのですが、なんとビックリ……ここにも『過飽和』という、飽和状態を過ぎてもそのまま超過分が溶けたままの状態でいることがあるのです。
『過冷却』のときと同じように刺激を与えると、あわてて思い出したかのようにもともと溶けきれなかったはずの超過分が現れてきます。
この現象を見るチャンスとして、ミョウバンの結晶作りをお勧めします。これは、5年生では「ものの溶け方」、6年生では「水溶液」の勉強につながるものです。
ミョウバンの結晶作りをいろいろな観点でまとめてくれているサイトがありますので紹介しておきます。
→ http://matome.naver.jp/odai/2133744011909222501
入れ物に振動を与えるなどしてみると、急に水溶液の中に雪が降るかのようにミョウバンの結晶が降り出す様は幻想的なものです。
見ることができたら感激すると思いますよ。
この『過飽和』を見るためには、きれいな入れ物・混ざり物のない精製水が必要です。ほこりや混ざりものがあるとそこに結晶が付きやすくなってしまうのでなかなか『過飽和』になりません。
実際のところは色々とやっているうちにたまたま見られるといったところでしょうか…ぜひチャレンジしてみてください。
皆さんにも見ることができますように…
(五日市教室K)