気になるニュース19回「滅びゆくわが同胞たち」

時事19回.jpg【問題】
絶滅のおそれがある野生の動植物をまとめたリストのことを何といいますか。



【解答】
レッドデータブック

現在、各国や地域、団体などによって多くのレッドデータブックが作られていますが、単に「レッドデータブック」という時は、国際自然保護連合(IUCN)によるものか、あるいは環境省の作成したものをさすことがほとんどです。
植物、哺乳類(ほにゅうるい)、鳥類、両生類、爬虫類(はちゅうるい)、魚類、昆虫類、貝類などそれぞれに記載(きさい)されており、順次更新されていっていますが、その数は増えるばかりです。
それによれば、日本の動物では哺乳類・魚類・貝類の約4分の1、爬虫類・両生類の約5分の1、鳥類の8分の1、植物では約4分の1が絶滅のおそれのある種となっています。
先日沖縄県で絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ…絶滅の恐れが非常に高い生き物)の「オキナワトゲネズミ」が30年ぶりに発見されてニュースになっていましたが、それは「絶滅していなかった」というだけで、絶滅に向かいつつあることを示すニュースに過ぎません。
この絶滅の進行に拍車(はくしゃ)をかけているのが地球温暖化です。
日本でもライチョウや高山植物など、冷涼な気候に適応している動植物の絶滅が心配されています。
全世界的に見ても、この傾向(けいこう)は明らかです。
わたしたちの活動は、この地球上の仲間たちの命を奪いつつあるのです。
現在、世界各地では、地球温暖化や戦争などによる絶滅に備えてさまざまな計画がスタートしています。
「スバールバル全地球種子庫」がそのひとつです。
ノルウェーにあるスバールバル諸島のスピッツベルゲン島に100万種以上の作物の種子を集める施設が完成し、2月末から稼動しはじめました。
種の絶滅や干ばつによる食料不足などの不測の事態が起きたとき、ここから種子を供給して復活させようというものです。
北極圏にあるこの島に、世界中から種子が集まる予定です。
ここには永久凍土層(えいきゅうとうどそう…一年中氷が溶けない地域)があるため、低温で種子を保存するのに適しているのですね。
現代版「ノアの箱舟」計画、といってもよいでしょう。
イギリス、オーストラリア、ドイツ、アメリカが、この計画に約5000万ドルを提供しています。
こういった仕事にたずさわる人は、きっと重い責任感と強い行動力をもって仕事をなさっているに違いありません。
今の日本には、「国として地球の未来のために何かをする」という動きがあまり見られないような気がして残念です。
みなさんの中からも、全地球的視野をもって何かをする人が出てくることを期待します。
(五日市教室A)
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