気になるニュース154回「食をめぐる問題」

【問】

今、日本の食料自給率は先進国の中では最低水準であるといわれています。
1960年には79%だったわが国の食料自給率は、現在何%でしょうか?

【答】

39%

39%という数字はカロリーベース(食べ物が持つ熱量の単位)ですので、ここでいう食料自給率とは、私たちが食べる食料の熱量(1人1日2,436kcal)うち、日本で作られた食料の熱量(1人1日941kcal)のしめる割合のことをいいます。

今年の7月から日本が交渉に参加しているTPP(環太平洋経済連携協定)では、お互いの国の関税をゼロにしようという点が最大の特徴です。
しかし、そうした場合、日本にとって最も大きな影響を受けるのが農産物であり、それによって農業の生産力が衰えると、この食料自給率はさらに下がると予想されています。

では、食料自給率が低いとどんな問題が考えられるのでしょう。
例えば、食糧を生産する国が輸出を制限したり、日本が輸入をし続ける経済力を失ったり、あるいは国内の農業が今以上に衰えたりした場合、食料が不足するという、今の日本では考えられないことが起こる可能性があります。
 
そうすると、当然日本は食料自給率を高めていく必要があります。
しかし、一方では、まだ食べることのできる食品を、日本では年間に400万トン~800万トンも捨てられているのです。
これは貧しい国々に世界から寄せられる食料援助の量(2011年度400万トン)よりも多く、見過ごすことのできない問題です。

食料自給率を高めるためには、日本のさまざまな「食をめぐる問題」を解決していかなければなりません。

(横川駅前教室T)

××

「気になるニュース」が、隔週から毎週の連載となりました。
それに伴い「チャンネルアイル」は、不定期掲載とさせていただきます。