【問】
1925年に成立した,国体(皇室)や私有財産制を否定する運動を取りしまるための法律を何といいますか。
【答】
治安維持法
1925年、普通選挙法が制定され、満25歳以上のすべての男子に選挙権が与えられました。
同じ年に制定されたのが治安維持法です。
6年生はすでに授業で習っていますね。
ロシア革命の影響から社会主義運動が激しくなることをおそれ、それを取りしまることを目的として制定されたものでした。
しかし、昭和の初期からは新興宗教の弾圧や民主主義運動などを取りしまるために転用され、第二次世界大戦中は、戦争反対運動を行う人々も対象となりました。
法律が本来の目的を逸脱して改変され、施行された例といえますね。
治安維持法はGHQによる民主化政策の中で廃止されています。
現在、国会で審議されている「特定秘密保護法案」。
内容は、「その漏洩(ろうえい)が我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあるために、特に秘匿(ひとく=かくす)することが必要であるもの」を行政機関が「特定秘密」に指定し、それを漏らした人や、無理に知ろうとした人を処罰することが柱となっています。
国家の安全保障は、国民の生活のために大切なものです。
しかし、それを守るための法律が、かえって国民を苦しめるようなことになってはなりません。
国会での審議を、注意深く見守りたいと思います。
(皆実教室 M)