それでもI will be…(240)

盆休みの間,少しまとまった時間があったので本を読みました。
「東大の数学入試問題を楽しむ:数学のクラシック鑑賞」長岡亮介(著)
です。

東大の入試問題を「受験のための参考書」としてではなく,「数学の本質とは」という視点で書かれており,非常に興味深く読むことができました。
東大の入試問題は,「パターン学習」や「解法の暗記」のみでは対応できないとよく言われますが,実際の入試問題に触れてみるとそのことがよく理解できます。

一問紹介してみましょう。

円周率(π)が3.05より大きいことを証明せよ

たった1行だけです。
そして,この問題は数学の本当に基本的な定理を使うだけで解けてしまうのです。
もちろん小学生の君たちには習っていないことだけれども、上の問題をこう変えたらどうでしょう?

円周率(π)が3より大きいことを証明せよ

これなら解法を知っている人も多いのではと思います。
そう、半径が1の円の中に内接する正六角形を作図してみると、すぐに証明できるんです。

同様に上の入試問題も,半径が1の円の中に内接する正十二角形を作図することで証明ができてしまいます。
つまり,考え方としては小学生の問題と変わらないってこと。

ということは,目の前にある一つ一つの問題をしっかり考えていくことが大切なんだってことでもあります。
小学生のみんなも分かるよね!

大学受験がもう30年も前のことになった僕が読んでとても面白かったこの本。
君たちにも、この先,高校生になったら読んでみてほしいな。

(アイル代表)