畑のありんこ(298)

2013072208300000学校の観察定番ものといえばアサガオ。
育てやすく、花も大きくなるし、種もわかりやすくできるつる植物。観察の材料がたくさんありますね。
うちにもやってきました。
あまり花を摘まずにおいています。後輩に種をついでいくのだそうで、このあたりほほえましい。

朝顔は園芸植物としての地位はかなり古くから高いものです。(漢字で書く方が情緒的で好きなので、ここから漢字表記にします。)
園芸がさかんだった江戸時代にも朝顔のブームが一度ならず起き、品種改良が進みました。
中でもいわゆる「変化朝顔」と呼ばれる、花弁に切りこみがあったり、糸状に細くなったりしたものは高価でやりとりされたようです。面白がられたんでしょうね。
以前吉野ヶ里遺跡で変化朝顔展をやっていたのを見たことがあります。
すごいですよ。もはや朝顔には見えない(笑)。

ただ、こういったものは結実しにくいらしく、系統の維持が難しいそうです。
遺伝子として残していくためには、種をたくさんまいて、発現するのを待つしかない。うーん。のどかというか気が長い。
戦時中の空襲などでそのほとんどが失われたといいます。
江戸時代には黄色の花や黒の花を咲かせる朝顔も開発されたといいますが、現在も途絶えたまま。
民間で広く伝承されてきた技術も、何かのきっかけで失われていってしまうものなのです。

現在は文科省のナショナルバイオリソースプロジェクトの一つとして九州大学に系統保存のための研究室もあるみたいです。
平和でないと、こういったことは後回しにされがちですね。
朝顔を見ながら、つくづく平和の大切さを思いました。

(五日市教室A)