受粉部隊を見かけるようになってきた。
ハナアブ、ミツバチ、マルハナバチ。主力はマルハナバチです。
同時に来ているのは三匹くらいかな。
ミツバチも去年はあまり見かけなかったが、今年は結構見る。
彼らが集まってくるようになってから、人工受粉はやめました。
小さい花のひとつひとつをこまめに回っていくのを見て、頼むぞ、お前ら…という感じ(笑)。
晴れた日は朝早くから花粉の回収に飛び回っていますね。
厳密に観察したわけではないのですが、天気によってやってくる時間帯が違うように感じます。
それから、ミツバチは概ね北の方角へ飛んでいきます。
きっとそっちに巣があるんでしょう。
2006年以降、アメリカやヨーロッパでのミツバチの大量失踪が話題になりました。
「蜂群崩壊症候群(CCD)」というものです。
一夜にして成蜂がいなくなり、周囲に死体などが転がっておらず、巣には女王蜂と孵化前の幼虫だけ。蜂蜜や花粉なども巣に備蓄がある。
まるでイギリスで1872年に起きた「メアリー・セレスト号事件」のような様相です。
2006年までにも農薬や都市化、特定のダニなどによってミツバチの数は減少してきていたのですが、2006年の秋に劇的に消失、アメリカでは25%が失われたといいます。
未知のウイルス説、温暖化による早咲きからの栄養失調説、農薬説(日本でもネオニコチノイド系の農薬により群れが絶滅することが実験で確かめられています)、ミツバチへの過労働説・ストレス説などたくさんの仮説がありますが、原因もいまだ特定されていません。
日本では2009年に各地で大量死が報告されています。
いずれにしても、このままミツバチの群れが減少していけば、農産物の生産に大きな影響があることが指摘されています。
ミツバチがいなくなれば、その役割を他の昆虫がとってかわることも推測されますが、時間がかかることでしょうし、ミツバチとは数が違います。
もっと農業、水産業など第一次産業関連のこと、つまり人間が生存していくために必要な部分に注意を向けないと…という思いを強うした件でもあります。
庭でハチの姿をみると、ほっとするのはこういった理由もあるのですね。
虫の羽音や鳥のさえずりが聞こえなくなる世界なんて…想像したくもない。
アブラムシさえ、何かの役割を持ってこの生態系を複雑に織り成しているのです。
何かひとつ歯車が抜けるだけで、崩壊していくつながりもきっとある。
のどかな春ですが、…しばし果樹の前でこんなことを考えていました。
(五日市教室A)