みなさんはゲームセンターなどにあるクレーンゲーム(UFOキャッチャー)で遊んだことがありますか?
ついつい熱くなってしまってお金をたくさん使ってしまった! なんていう経験があるかもしれません。
今日はこのクレーンゲームのお話を算数にからめてしていきたいと思います。
クレーンゲームで使われる景品は、上限が決まっていて市販価額800円以内となっています。
これは業界団体が定めたガイドラインで決まっているんです。
観光地などで、とても800円では買えそうも無い高額景品を見かけることもありますが、あれは業界団体に属していないお店などが運営しているからです。
遊ぶ側としては、100円や200円で取れたらラッキーですが、提供する側(お店側)からすると、それでは大赤字になってしまいます。
では、どのくらいの売上があれば、利益が確保できるのでしょうか?
800円の景品を取らせるのに、1万円も使わせていては、いずれお客様が来なくなってしまいます。
ボッタクリ!なんて声も聞こえてきそうですね。
実はクレーンゲームの原価率(売上に占める景品代の割合)は、概ね25%~35%くらいが一般的です。
原価800円の景品で考えてみましょう。
原価率25%であれば、
800円÷0.25=3200円
ということは、3200円の売上で800円の景品を一つ取らせてあげれば、お店側もお客さん側もトントンということになります。
意外に高いですね。
まあ、市販されていない魅力的な景品であれば、原価800円のものを3200円で買っても嬉しいというところでしょうか。
ちなにお店の利益は、3200円の場合だと3200円-800円=2400円ということになります。実際の利益となるのは、この利益から人件費や賃料や経費などを引いた額となりますが。
もしお店が原価率の設定に失敗してしまったら・・・
原価率5%で運営すると・・・
800円÷0.05=16000円も使わされる!!
原価率80%で運営すると・・・
800円÷0.8=1000円で景品GET!!
もし100円使っただけで原価800円の景品が取れたら原価率は・・・
800円÷100円×100=800%の原価率!!!となります。
ちょっと難しいかな。
でも、6年生や卒塾生ならわかるはず!
ちなみに原価率の調整ですが、UFOキャッチャー出始めの頃は、クレーンの移動量を調整したり、バネの強弱を調整したり、爪の角度を調整したりする職人技に頼っていましたが、最近の筐体はメンテナンス扉の中のダイヤルを回すだけで機械的に簡単に調整できてしまいます。
そのため、長い期間でみたら、ちゃんと原価率25%~35%に収まります。
身近な算数ですね。割合のお勉強でした。
(横川駅前教室F)