いきものばんざい(43)

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シカ【カクカクシカジカ ~ニホンジカ】クジラ偶蹄目シカ科

 日本の哺乳類の中で、シカほど話題に富む動物はいないのではないでしょうか。奈良の春日大社を代表として神の使いとされる。秋の風情として鹿の鳴き声が詠まれる。食用にもされ「モミジ」なんていう風雅な名前で呼ばれる。立派な角が生えるのに毎年生えかわる。一ノ谷の戦いでは「鹿がゆくなら馬でも行けるハズ」なんて義経に思わせるきっかけになる。花札の図柄にもなっていて「シカト」の語源になっている。鉄分をなめるために線路に入って列車にひかれる。それを防ぐためにライオンのふんや尿をまいてみたら効果大だったが、ふんや尿が入手困難でしかも周囲の環境に大きな影響があるので中止に。バンビ。鹿島アントラーズ。アントラーって、鹿の枝角のことなんですよ。

いきものばんざい(42)

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ハクセキレイ【歩くのめっちゃ速い ~ハクセキレイ~】スズメ目セキレイ科

道路や町の広場などを高速でちょこちょこ歩いている白っぽい小型の鳥を見ませんか? それはたぶん、ハクセキレイです。尾羽を上下にふりふりしていれば、ほぼ間違いないでしょう。人の近くまでくることもある鳥ですが、その歩き方を見ていると、非常に速いスピードで足を交互に出して歩いているのがわかります。
鳥には、人間のように歩くもの(ウォーキング型)と、両足をそろえてはねるように移動するもの(ホッピング型)とがいます。主に樹上生活をするものがホッピング型、水鳥やハト、キジやセキレイの仲間はウォーキング型が主体です。カラスはどちらも行うめずらしいタイプです。

いきものばんざい(41)

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パラダイススレッドフィン【優雅な海底の哲学者 ~三脚魚~】ヒメ目チョウチンハダカ科

 三脚魚ときいて、はっと思ったあなたはきっと深海魚マニアです。日本近海にはイトヒキイワシとナガヅエエソがいます。この魚は、一対の腹びれと尾びれの先端が長く伸び、まるで三脚のように海底に「立って」います。さらにナガヅエエソの胸びれは、細く枝分かれしており、これを放射状に広げて、退化した目のかわりに敵やエサを感知していると考えられています。見た目もまるでアンテナです。さすがに深海に行って撮影できないので、同じように目が退化し、触角のようなヒレが発達しているパラダイススレッドフィンの画像をあげておきます。三脚魚はネット上に動画もあるので見てみてね。泳ぎ方も優雅です。

いきものばんざい(40)

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【最大4m半の掃除屋 ~オオイカリナマコ~】棘皮動物門イカリナマコ科
オオイカリナマコ
 非常に細長い大型のナマコですが、よく水槽に入れられています。食用のマナマコは20~30センチですから、かなり大きいですね。まるで海底に転がっているチクワですが、ウニやヒトデと同じグループですので、五放射相称(中央から放射状に五つに分かれる構造)をしています。心臓はありませんが、食道、胃、小腸、大腸があり、われわれ人間の消化管の原型をもっているといえます。見た目がグロテスクだときらう人も多いようですが、彼らは海底で砂の中の有機物を食べているので、そのおかげで砂がきれいになるのです。縁の下ならぬ、水槽の底の力持ちなのです。そんな目で見てあげて。

いきものばんざい(40)

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オオイカリナマコ【最大4m半の掃除屋 ~オオイカリナマコ~】棘皮動物門イカリナマコ科

非常に細長い大型のナマコですが、よく水槽に入れられています。食用のマナマコは20~30センチですから、かなり大きいですね。まるで海底に転がっているチクワですが、ウニやヒトデと同じグループですので、五放射相称(中央から放射状に五つに分かれる構造)をしています。心臓はありませんが、食道、胃、小腸、大腸があり、われわれ人間の消化管の原型をもっているといえます。見た目がグロテスクだときらう人も多いようですが、彼らは海底で砂の中の有機物を食べてているので、そのおかげで砂がきれいになるのです。縁の下ならぬ、水槽の底の力持ちなのです。そんな目で見てあげて。

いきものばんんざい(39)

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ウミシダ【植物っぽいけど ~ウミシダ~】棘皮動物門ウミシダ目

イソギンチャクやウミシダの仲間が海の中でゆらゆらゆれているのを見ると、風にそよぐ植物のように思えますね。羽のような枝を四方に広げているところも植物のようです。が、彼らはれっきとした動物の仲間で、海底やサンゴに固着して生活していますが、枝を使ってはうこともありますし、ゆらゆらと腕をふって遊泳することもあります。化石として有名なウミユリの仲間になりますが、ウミユリは現在は深海のみで見られ、広く見られるのはこれらウミシダです。ウミユリは茎にあたる部分がありますが、ウミシダにはありません。これはウミシダが遊泳生活を選択したからだという説があります。

いきものばんざい(38)

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ジョウビタキ【縄張り意識の強いおじいさん ~ジョウビタキ~】スズメ目ヒタキ科

 冬鳥として日本に飛来します。冬鳥は、秋から冬に日本に飛来し、春にはシベリアにわたっていくものが多く、カモやハクチョウが有名ですが、身近にもけっこう見られます。中でもジョウビタキは、腹がオレンジ色、頭は銀白色、羽に鮮やかな白い斑点があるので、見分けやすい小鳥のひとつです。「カッカッ」という何かをたたいているような鳴き声で地鳴きをしますが、知らないと鳥の声と思わないかもしれません。この声が、火をつける時に火打石をたたく音にたとえられ「ヒタキ」と呼ばれるようになったと言われています。「ジョウ」は「尉」、おじいさんのことです。頭が白っぽいからですね。

いきものばんざい(37)

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オニフスベ【地上に生えるバレーボール ~オニフスベ~】ハラタケ目ハラタケ科

 雑木林や竹やぶ、畑、時には庭先に突如として出現する巨大なキノコです。大きいものでは30センチ以上になります。最初は真っ白ですが、成熟するとだんだん茶褐色の液を出してくずれていきます。草地などに生えるとバレーボールが転がっているようにしか見えません。脳みそ…に見えなくもない。エイリアンが首から下を地面に埋められているようにも…見える。まあ蹴りたくなってしまうキノコであるのは間違いありません。食べられなくはない、そうです。日本特産。

いきものばんざい(36)

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ミノムシ【家ごと移動します ~ミノムシ~】鱗翅目ミノガ科

 ミノムシはミノガという蛾の幼虫です。ミノ(蓑)というのは、昔の雨具ですね。ゲゲゲの鬼太郎の子泣き爺が着ているやつです。ミノムシのミノを破ってみた人は知っていると思うのですが、なかなか破れません。かなりの力が要ります。この中に入って羽化を待つわけですから、防寒と外敵から身を守るためにも、頑丈なつくりでないといけないわけです。ところで、この木の枝などにさがっているミノは、なんと移動していきます。ぶらさがっている糸をかみ切って、ミノをぶら下げたまま。幼虫の間は葉をもりもり食べますので、一か所にいるとたちまち葉を食べつくしてしまいますからね。最近は数が減ってしまっている虫です。

いきものばんざい(35)

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ヌスビトハギ【ひっつきもっつきの一味 ~ヌスビトハギ~】マメ目マメ科

 数十年前はまだあちこちに空き地があって、植物相手に遊ぶことも多かった時代です。オナモミの実やセンダングサを友達同士でよく投げあって遊んでいました。(どっちも「ひっつきもっつき」と呼んでいましたが、広島弁では仲良しのことも指します。)最近、目にすることが増えた気がするのが、アレチヌスビトハギ。実が泥棒の足の形をしている、という見立てで命名されたヌスビトハギの仲間で、実に細かい毛が密生していて衣服に付着しやすくなっています。これらの実は、動物の毛や人間の衣服にくっついて種子を散布してもらう戦略をとった植物です。マジックテープはこれらの植物をヒントに作られたそうです。